かのアルフレッド・アドラーは、「人の悩みの9割は人間関係」と述べました。
その中身は、家族・友人・恋人・同僚など実に様々です。しかしそれらの問題の原因については、突き詰めると「自分と他人の境界線が曖昧になっていること」に行き着くのではないでしょうか。
今回はそんな人間関係の悩みを抱えた時に読みたい詩を紹介したいと思います。
次の詩は、ゲシュタルト療法という心理療法を創設したフレデリック・パールズの「ゲシュタルトの祈り」という詩です。
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ゲシュタルトの祈り
私は私の人生を生き、あなたはあなたの人生を生きる。
私はあなたの期待にこたえるために生きているのではないし、あなたも私の期待にこたえるために生きているのではない。
私は私。あなたはあなた。
もし縁があって、私たちが互いに出会えるならそれは素晴らしいことだ。
しかし出会えないのであれば、それも仕方のないことだ
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生きていく中で人の評価が気になってしまう人はとても多いと思います。
人の評価に振り回されてしまうと、人からの言葉に深く傷ついたり、他人の顔色を窺って自己犠牲的になってしまったりと、自分らしく生きていくことが難しくなってしまいます。
またそれとは逆に、自分の領分を越えて他人に期待をかけてしまう人は、「あなたは〇〇すべきだ」、「あなたも私と同じように思うはずだ」といった独善的な考えに陥りやすくなってしまいます。
人は本来、それぞれ独立した個体で、それぞれが尊重される存在です。
その考えに立つと、自己の意志決定においては、自身の自由意志が尊重されます。
そして自身の自由意志が尊重されるということは、同時に相手の自由意志も尊重せねばならないということでもあります。
私が何を思うか自由であるのと同じように、相手が何を思うのかも完全に相手の自由だからです。
そのような、個々に自立し、自分らしく生きる人々が互いに出会えるのなら、それは素晴らしいことなのではないでしょうか。
キッズドア心理チーム