いきなりですが、皆さんは心理学者といえば誰を思い浮かべますか?フロイト?アドラー?ユング?
最近はSNSなどの発達によって、そのような名前を目にする機会も増えてきたように思います。心理学は欧米で発展してきた学問ということもあり、思い浮かべるのは横文字の名前ばかりではないでしょうか?
そんな中、実は日本で生まれた心理療法も存在します。皆さんご存じですか?
1919年、不安症に対する心理療法として、森田正馬が“森田療法”を創始しました。森田療法には特徴的な点がいくつかありますが、とりわけ注目したい点は、不安や恐怖を「症状」ではなく「自然な感情」だと定義したところです。
例えば、人と話す時に緊張して顔が赤くなることを気にしてしまう人がいたとします。西洋的な心理療法の考えでは「顔が赤くなってしまうこと」・「緊張してしまうこと」を「症状」と捉え、いかにそれらをなくしていくかに焦点が当てられます。それに比べて森田療法では、不安を「自然な感情」と捉えます。なぜなら、それらは「人と仲良くなりたい」、「人と良好なコミュニケーションを取りたい」といった、誰しもが持つ普遍的な感情(生の欲望)の裏返しだと考えるからです。
不安を感じる自分自身を「あるがまま」の姿として受け止め、症状ではなく本来の目的(上記の例だと「人と仲良くなること」)に焦点を当てた具体的な行動を取ることを森田療法では目指していきます。日本で誕生したということもあり、森田療法はどこか親しみやすく、そして同時にとても奥深い心理療法だと思います。
皆さんが抱えている不安も、「より良く生きていきたい」という気持ちから生まれた自然な感情なのではないでしょうか。
今回は簡単に説明しましたが、HPや書籍等でより詳しく森田療法を学ぶことができます。興味がありましたら、皆さんもMade in Japanの心理療法に触れてみてはいかがでしょうか?
キッズドア心理チーム