はじめに
「断ったら嫌われるかも」「相手に悪い気がして言えない」こんな風に考えてしまって、つい“いい人”を演じてしまうことはありませんか?
実は、多くの人が同じことで悩んでいます。
今回は、「いい人」を続ける私たちの心の中でどんなことが起こっているのか、そして自分を大切にするための“NO”の伝え方についてお話しします。
社会性を重んじすぎること
深層心理学の創始者フロイトによれば、私たちは生まれたばかりの頃は欲求のままに生きています。成長するにつれて、しつけなどを通じてマナーやルールを学び、社会性を身につけていきます。「いい人」であることは、非常に社会性を重んじた生き方です。しかし、周囲の期待に応えるために、自分自身を犠牲にしてしまうこともあります。
不安定な土台が自分らしさを奪う
子どもにとって家庭は世界そのものです。安心できる場所があるからこそ、子どもは外の世界に興味を持ち、自分の意志で行動できるようになります。しかし、安心できる場所が不安定であれば、自分らしさを発揮することは難しくなります。そうした不安は、大人になっても心の奥底に潜んでおり、人とのつながりを失うことへの恐れから「いい人」であろうと自分に強いてしまうのかもしれません。
「いい人」をやめるには
この社会で「いい人」をやめるのは難しいことかもしれません。でも、「いい人」であり続けることで、私たちは苦しさを感じているのも事実です。それは、自分の感じたこと、望んだこと、考えたことの自由が奪われているからです。だからこそ、少しずつ自分らしさを取り戻すために、できることから始めてみましょう。
自分の感情を言葉にする
「いい人」として生きていると、自分の気持ちを見失いがちです。まずは、自分の感情を思い出すことから始めてみましょう。例えば、一日の終わりに「今日はどんな一日だったか」を振り返り、簡単に文字にしてみることです。最初は何も思い浮かばないかもしれませんが、感情に意識を向けることで、少しずつ自分自身を感じられるようになります。もし共有できる相手がいれば、思い切って話してみるのもよいでしょう。
小さな“NO”から始める
“NO”を伝えることは、自分を守るための大切な行動です。しかし、いきなり大きな“NO”を言うのは難しいものです。まずは、お店で「袋はいりません」「ポイントカードは作りません」と伝えるなど、関係性の薄い場面で練習してみましょう。そうした小さな“NO”を積み重ねることで、自分にとって必要な“NO”を言える力が育まれていきます。
最後に
「いい人」であることは社会にとって望ましいことですが、「いい人すぎる」ことは私たち自身を苦しめることにもなります。社会もそこまでの自己犠牲を求めているわけではありません。“NO”と言うことは、「いい人」でないことを意味するのではなく、自分を大切にする行動です。「いい人」であろうと葛藤している人々は、それだけで十分に良識を持った人間です。“NO”を言える自分に、もっと優しくなってもいいのではないでしょうか。


