「夏休み、そろそろ帰っておいで」と言われるとなんとなくモヤモヤした気持ちになる。実家から離れて暮らしているとそういった経験はありませんか。家族と過ごす時間は世間的には有難いものだと言われているものの、実家にいるとなんだか気が重くて疲れてしまう。普段人と接しているときのようにふるまえず、家族に対して無口になったり、言わなくてもいいことを口走ってしまったりする。実はこういった心の動きは、決して珍しいことではありません。
私たちは他者と関わるときに「二者関係」と「三者関係」という2つの交流パターンを使います。「二者関係」は自分と相手だけで閉じられた関係性です。親子や付き合いたての恋人などがそれにあたります。この関係は相手との距離がとても近く、非言語のニュアンスを通した情緒的な関わりが強くなります。「三者関係」は客観的視点が加わり、ソーシャル場面における言語での会話が関係性の中心となります。会話内容は最近の出来事や流行、仕事や学校でのこと等が多くなるため、自分と相手との間に一定の距離が生まれます。
家のようなプライベートな空間では、親子関係をはじめとした「二者関係」の交流パターンの割合が高まります。そうなると、相手との距離感が近くなり、「言わなくてもわかってよ」「もっとこうしてよ」という願望や「どうしてわかってくれないの」という苛立ちやむなしさが普段よりも強く出てきやすくなります。
特に家庭の中で空気を読んだり自分の気持ちを我慢したりする機会が多かった人は、「三者関係」の交流パターンに慣れている反面、「二者関係」の交流パターンに慣れていないことがあり、実家でのモヤモヤを感じやすくなります。
では、実際にそんなときはどうしたらいいのでしょうか。
一つは「三者関係」の交流パターンが増える環境を作ることです。例えば、家族としっかりと関わる時は家の中ではなく外出して話すようにする。実家に帰省はしつつも短期間にとどめるなどです。もしくは無理に帰省せず、物理的に距離を置いてみることも一つの方法です。「家族だから一緒に過ごさなきゃ」と思う気持ちもあるかもしれませんが、自分が消耗してしまうのであれば、まずは自分の気持ちを優先することが大事です。家族との距離は、「近ければいい」というものではなく、「ちょうど良い」が大切ですから、距離を置いたからといって、決して冷たいわけではありませんし、家族の距離は、人によっても、時期によっても違います。
ぜひこの夏は自分にとって「ちょうど良い」過ごし方を選んでみてください。
キッズドア心理チーム


